農業に転職しようと考えている人
農業ってキツイ・汚い・危険で、更には休みが無くて稼げないじゃないの?
農業未経験だけど農業で稼ぐにはどうしたらいいの?
こういった農業に対してのマイナスイメージについて体験談を交えて答えます。
本記事のテーマ
【稼げない?】会社員を辞めて農業に転職した体験談
自己紹介
31歳の時に6年間務めた外資系アパレルの店長を辞めて実家の農家にUターンしました。
会社を辞めた理由は、アパレル業界の将来性に不安があったことと、意味を見出せない業務を毎日こなしている自分が嫌になったからです。
実家が農家ということもあり幼い頃から将来は農業をやると思っていたので、自然な流れで農家に転職しました。
キツイ、汚い、危険て本当?
キツイ体験談
『キツイ』という言葉に具体性が無いので一概に言い切れない部分が多いですが、私の実感としては想像していた以上にきつくなかったです。
確かに重いものを持ったり、運んだりと肉体労働なので筋肉痛にはよくなりますし、
広大な畑の雑草を手作業でとる時などは、終わり見えない作業に心が折れそうになります。
特に、同じ作業を繰り返す事が多く、1日中同じ作業をしている日がほとんどです。
例えば、縦が30センチ間隔、横が60センチ間隔で植えたキャベツに殺虫剤・殺菌剤を撒く時は、1個づつ手作業でキャベツに向かって薬を撒くのですが1万5千個ほどあります。
もちろん、1日中撒くことになりますがホースを持っている右手は痺れて感覚が無くなってきます。
何より精神的に参ってきます。
では、なぜ想像していた以上にきつくないのか。それはいつか終わりがくるからです。
矛盾しているようですが、1万5千個やれば終わります。丸1日やれば終わります。
キャベツは出荷までに薬を撒くのが5〜8回です。8回やれば終わるのです。
これは会社員も同じだと思います。
毎週開催される意味を感じられない会議。誰が見てるかもわからない報告書類を作る業務。
どんな仕事にもキツイことはあるはずです。
農業が特別キツイ訳ではないというのが私の体験談です。
私は週5日スーツを着て満員電車に乗る方がキツイです。。。
汚い体験談
もちろん汚いです。オフィスビルで働くより汚いです。
雨が降っているなかや雨が降った次の日に、畑に入って作業をすれば泥だらけになります。
雨が降らず乾いた畑でも汚れます。砂埃が舞って耳の中や鼻の中は見たこともないくらい真っ黒になっています。
夏になると当たり前ですが汗をかきます。それがもの凄い量の汗をかくのです。
Tシャツは1日3枚くらい着替えるし、ズボンや靴下までビショビショになるので洗濯する量がとても増えます。
虫が嫌いな人にとってはキツイ仕事かもしれません。
どこに行っても虫が沢山います。その虫を作物から1匹1匹手でつまんで防除するなんて農家さんもいます。
都心で働いていると見かけることのない蜂ですが、蜂に刺されるといった話はよく聞く話です。
感じ方は人それぞれだと思いますが、苦手な方は農業に向いていないと思います。
危険な体験談
私自身は今のところ危険な体験はしていません。
しかし、危険な話はよく聞きます。
○○さんは人参の葉っぱをカットする機械に指を巻き込まれて親指が無くなったとか•••
□□さんは耕運機のロータリーに足を巻き込まれて片足が義足になっているとか•••
ゾッとする程危険な職業だと思いますがこれ、実はかなり昔の話なのです。
農業をやっていて一番危険なのは機械です。
しかし、機械を開発する技術は年々進歩して、安全性と効率性が一昔前と比べ物にならないくらい進歩しているので、事故は少しづつではあるが年々減ってきているのです。
事故は減ってきていても0になった訳ではないこともまた事実です。
安全性は高くなったが、使い方を間違えたり気を抜けば大きな怪我に繋がることがあります。
当たり前かもしれませんが、面倒臭がったり気を抜いたりしなければ安全性は保たれます。
農業は休みなしで稼げないイメージだが、実際は稼げるか?
【暴露】私の生活と収入
まず、私の生活と収入の前に現代の農業は多様化しているということは知っておいて下さい。
従業員を雇い大規模な畑で作物を作りガッチリ稼いでいる農家もいれば
一人で作物を作って無理はしないで自分と自分の家族が食べていける分だけ稼ぐ農家もいます。
作物を作るところから販売まで行っている農家もいます。
↓見にくいですが組織経営の農家と個人経営の農家の比較ができます↓
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/noukei/
父と二人(たまに母も)で約10反ほどの畑を稼働させて年商は300万〜500万くらいです。
無理はしないと言うのがモットーで自分達が生活できるだけの農業を営んでいます。
7月と9月は丸々休みと言っても過言ではないくらい休んでます。
8月と11月〜3月は忙しい時期なので、ほとんど休みなしで働きます。
8月は命に危険を及ぼす暑さなので、4時半くらいから11時くらいまで、16時くらい〜19時くらいまでといった働き方ですが、それ以外は10時くらい〜18時くらいまでの時間で働いています。
雨の日は例外なく休みです。
雨が降った次の日も畑がドロドロであれば休みになります。これは自分達が汚れたくないというのもありますが、水分が多い時に畑に入ると土を固めてしまい作物や作業に支障をきたすことが多いからです。
休みの時に庭の植木を剪定したり山に草刈りに入ったり、機械のメンテナンスなどの雑務を行ったりしますが、あまり多くはありません。
私の体験談としては会社員で働いていた時の方が身も心も疲弊していました。
働いている時間は会社員で働いていた時の方が多いと思います。
農業に転職して本当に良かったと思っています。
『稼ぐ』と『休み』は反比例している
前述したように現代の農業は多様化しています。
私が行っている農業のように適度に休んで適度に稼ぐ。無理は禁物といった農家もいれば、
雨の日も畑に入って作業して、人を雇ってほとんど休み無しでガッチリ稼いでいる農家もいます。
楽して稼ぐことができないのは農業も同じです。
農業で稼ぎたければ新しいことにチャレンジして営業に行き、自分の時間を費やして稼ぐしかありません。
休みが欲しければ適度に働き適度に休む、そして収入も適度。
ただ、会社員と違う点は農業は自営業なので、自分で好きなやり方を選べば良いのです。
自分で生活リズムをコントロールできます。
一体、稼げる農家になるためにはどうしたらいいの?
答えは•••
稼いでいる農家に就職して修行することです!
私は農家の家に生まれているため農業に対してある程度の免疫はありましたが、
自然に実家にUターンしたため、実家の農業のやり方しか知りません。
なので、私は農業で稼ぐ方法がわからないのです。
もちろん、本を読んだりネットで検索したりして知識だけはついて、稼ぐ農業の仕組みだけは理解しましたが、体験していないのでやれる自信は全く無いのです。
未経験で自分で農業を始めようとしている方は危険です。
農業は自然を相手にする職業なので思い通りにならないのが常です。
エクセルに正しい関数を入れれば、間違いなく欲しい数字が出てきますが、
農業は正しい関数を入れても欲しいものが手に入らないことが多いのです。
まずは経験値をつけて農業の感覚を肌で知りましょう。
農業に転職を考えている方で稼げる農家になりたいのであれば、
今現在、稼いでいる農家に就職して農業での稼ぎ方を盗んで下さい。
その農家で真面目に学び真面目に仕事に取り組めば独立のサポートもしてもらえるはずです。
まとめ
農業といえどもオフィスビルで働く会社員と同じで仕事は仕事です。稼ぎたければ休みを無理をして仕事をすることになりますし、無理したくなければ稼ぐ事は難しいです。
しかし、この現代社会で農業を取り巻く環境は大きく変化していますし、これからも変化し続けていきます。自分のおじいさんやおばあさんが農業をやっていた時代ほどキツイ・汚い・危険は軽減されています。
私の体験談が少しでも参考になれば良いのですが、農業に転職するということは決して良いことばかりではありません。
しかし、私は良いことも悪いことも含めて農業に転職して良かったと思います。
身近に農業に転職を考えている人がいたらオススメしたいと思っています。
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